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Category Archives: ブルベアFX

ドル/円のサイン

ドル/円は昨日切り返してきた。同切り返しの蓋然性、先週3月2日「ブルベアFX通信」のレポートをもって説明したい。チャートは本日の作成なので、ご注意を。


ドル/円 日足(@IG証券)

[黒田日銀総裁の発言でドル/円はまた急落してきた。発言に関する報道自体も分かれており、「19年度ごろ出口を検討していること間違いない」や「19年度より前に議論になると考えてない」と全く違うように聞こえ、市場関係者も
困惑していると推測される。

材料自体よりも材料が相場にもたらした影響に注目すべきなので、今回黒田さんの発言は試金石になるではないとみる。要するに、ここから安値更新の有無によってドル/円の内部構造を推測できるところだ。何しろ、所謂「出口
政策」は円のアキレス腱なので、円高を加速していくことが容易に推測される。

ところで、既述のように、サイクル論では20週~23週のボトム形成が数えられ、先々週は2017年9月安値から23週を通過するタイミングにあたり、2月16日にて一旦反発したのもわかりやすいかと思う。同日の罫線「スパイクロー」のサインを点灯していたから、ここから安値更新の有無が一層注目されるでしょう。

RSIなどオシレーター系指標の強気ダイバージェンスに鑑み、仮にここから安値更新を回避できれば、逆に反騰の気運を高めるでしょう。昨年11月高値を起点とした下落波をジグザグ変動見なす場合、昨年12月高値から最終子波が数えら
れ、また同子波自体の5波構造に鑑み、所謂「二番底」の可能性があると思われる。

但し、仮に「二番底」の形成があっても2月21日高値の回復は容易ではなく、また108円台の抵抗が厚い、といった判断は変わらない。「二番底」の確認、大分時間がかかる見通しである上、オシレーター系指標らの指示、再度安値更新でやっと効いてくる可能性も大きい。この場合、最終子波の更なる延長で104円台前半の下値トライもあり得るから、要注意。]

以上の既述のように、安値更新してから「ダブル・ボトム」をつけるといったシナリオが想定範囲なので、昨日ドルの切り返しがなお弱いものの、その兆しを露呈してきた。米長期金利の上昇、米株の反乱をもたらしたが、米株が切り返しを継続している分、米ドルと米長期金利のパフォーマンスがこのままずっと背離していくのも想定されにくい。

更に、ドル全体(ドルインデックス)の切り返しがすでに観察され、ドル/円の下値余地があっても制限されよう。この上、日足におけるボトム~ボトムと数えるサイクルでは、20週~23週といった波動リズムが観察され、昨年9月安値107.33からすでに24週間を通過、先週末の安値を深く割り込めない限り、同サイクルがそろそろ効いてくる可能性もある。黒田日銀総裁による「2019年度出口政策」の発言、2%物価目標を前提条件としているが、市場はそれを無視して反応した経緯に鑑み、一旦落ち着く可能性も大きい。が、総じて日銀に関する思惑が高まりやすい状況におり、何等かの材料で安値更新を果たす場合、最大102円後半の打診もあり得る。また、メイン抵抗の108関門前後~109半ばの回復は容易ではなく、しばらく安値圏での保ち合いを有力視。

昨年年末、戸松先生との対談にてドル/円の予想を行い、果たして今の市況にあてるかどうか。詳細は下記のリンクをご参照。

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陳満咲杜


反対の視点

前回の記事ではWTI原油先物と英ETSE100株価指数を取り上げたが、今回は同じく商品と株価指数をみてみたい。が、米株指数のほうがより重要なので、ウォール街株価指数(ダウ指数)を取り上げたい。IG証券さんなら、こういった商品先物や株価指数の多数を有し、更に欧米個別株をCFDを通じてワンストアでアクセスできるから、個人投資家でもマクロ型ヘッジファンドに遜色しないトレード環境を手に入れるので、ぜひ活用してもらいたいと思う。

総じて原油高に懐疑的、また米株の下落が途中の調整でまだブルトレンドを維持しているといった見方をもつ筆者だが、シナリオを検証するために敢えて反対の視点をもってチャートを点検しておきたい。なにしろ、片方の視点のみでは偏りやすいから、自分のシナリオと矛盾するサインを却って重視したほうがより適切な判断、また正しい認識に繋がりやすいからだ。


WTI原油先物 週足(@IG証券)

原油のブル基調に対する懐疑的な見方、主にドルの切り返し、といったシナリオに依存するが、ドル全体はまだまだ弱いままで、「底割れ」を辛うじて回避という程度に留まっている。ゆえに、週足におけるシグナル、目先むしろ強気基調が維持されることを示し、トレードにおいて原油のショート(メインストラテジー)が時期尚早であろう。

高値から反落してきたとはいえ、明らかにポリンジャーバンドの基準線(21週線)がサポートと化し、また上向く傾向を維持しているから、ドル全体が切り返してきたとはいえ、目先頭打ちされたかどうかはなお定かではなかろう。
その上、チャート上に記したように、週足では大型「複合型三尊底」のフォーメーションが示され、また「ネックライン」の上放れ」が確定されていたから、同フォーメーションが示す上値ターゲットが達成されていないうち、頭打ちに関する想定も慎重にすべきであろう。


ウォール街株価指数 日足(@IG証券)

ウォール街株価指数に関して、諸説があり、また見方が分かれている状況自体が正常なので、単純にテクニカルの視点のポイントを収めておきたい。二つ代表的なオシレーター系指標で状況を把握したいが、複雑な測り方をやめ、シンプルな視点でフォローしていきたい。

まずMACDでみると、米株の長期ブルトレンドにおいて、同指標はほとんどゼロラインの上に推移してきたことが分かる。2月初の急落でゼロラインを下回ったのが当然だが、問題は2月28日までの切り返しがあっても同ラインの回復につながらず、むしろ頭押さえられたところを重視すれば、強気になれないでしょう。換言すれば、MACDの二本線自体のシグナル(クロス)よりも二本線が揃ってゼロラインを上回れるかどうかは肝心であるから、目先まだシグナルの点灯を確認できず、あまり楽観すぎないほうがよいであろう。ベアトレンドへすでに転換された場合、MACDが長期間に渡ってゼロラインの下にて推移するはずなので、判断基準の一つとして要注意。

RSIでは、2月初頭の急落で30の水準を下回り、強気「リバーサル」のサインを点灯してその後の急反発をもたらしたが、同サインがもたらした上昇が再度高値更新しないと、単に「売られすぎ」に関するリバウンドに過ぎないので、あまり過大解釈できない。高値圏での波乱が続ければ続くほどベアトレンドへ転換していく可能性が大きいから、ここ辺も注意しておきたい。市況はいかに。

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オポチュニティ ポンド/円・レンジの下方修正

昨日円高が大きく進行、特にポンド/円の値幅が大きかった。テクニカル上の蓋然性を説明するため、「ブルベアFX通信」2月23日配信したレポートを公開したい。本文は以下の通り


ポンド/円 日足(2月23日作成)

ポンド/円に関して、トップアウトの可能性はこれまでの指摘通り、足元までの値動きによって同シナリオが強化されている。いくつのサインを点検し、ここからの変動レンジについて推測しておきたい。

2月2日の高値更新、そして当日の陰転をもって反落波の始まりを示し、翌取引日の5日の大暴落で確認されたとみる。その後、一旦1月30日安値(B)を割り込み、2月8日の弱気「リバーサル」、また「アウトサイド」のサインをもって同下放れが成立されたとみる。従って、先週の安値打診は当然な成り行き、ここからも更なる下値余地を拓くでしょう。レンジの下方修正、すでに行われ、また拡大される公算。

もっとも、一昨日の戻り、151関門手前にて阻止され、また当日の陰線引けや昨日の続落をもって日足では「宵の明星」というサイン(20日~)を点灯した。1月30日の日足、典型的な「スパイクロー」だったことに鑑み、同安値の更新で先週安値をもたらした、という側面を重視すれば、一昨日高値までの戻りは下落トレンドにおける抵抗ゾーンを再確認するものだったと言える。

同抵抗ゾーン、上のチャート上で表示しているように、1月10日~12日で形成した「明けの明星」(A)というサインと相まって形成されていると思われる。要するに、この前のサインはサポートゾーンを確認して高値更新に繋がったわけだから、今回はレンジの下方修正で一転抵抗ゾーンと化し、これからの反落余地を示すことになり、また最近の「宵いの明星」のサインをもって再確認されたわけだから、下値打診を続ける公算。

この場合、14日安値更新の有無が焦点になってこよう。同日は「スパイクロー」の足型なので、下放れがあれば、一段と下値打診の蓋然性が強まり、昨年11月安値146.98の打診を照準しよう。メイン抵抗ゾーンがすでに確認されている以上、早期回復なしでは14日安値の打診や割り込みを有力視、また昨年11月安値の割り込みがあれば、反落波の更なる加速も覚悟。


ポンド/円 日足

現時点のチャートは以上の通り、ご参考またご対照を。


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ドルの切り返しがもたらした「側面」

ドル全体は切り返している。ドル高の「側面」としてポンド/円やゴールドの値動きでも検証できるかと思う。


ポンド/円 日足(@IG証券)

前回でも指摘したように、ポンド/円はトレンドを転換させるサインを点灯していたから、反落の余地を拓いていた。足元の市況はその通りで、2月14日安値の更新もあって、メインサポートゾーンをトライしている。

メインサポートゾーンのトライ自体、2016年安値から引かれるメインサポートラインの割り込みを意味するから、強気変動の終焉を示唆している。但し、強気変動の終焉が忽ち弱気変動に転換するとは限らないから、メインサポートゾーンを下回れるかどうかは肝心であろう。

メインサポートゾーンの規定はシンプルである。2016年12月高値、2017年5月や7月高値が形成していた元抵抗ゾーン、2017年10月、11月安値に再確認(元抵抗ゾーンがサポートゾーンに化した)されたわけだから、今度その役割を果たせるかどうかは肝心であろう。完全に下回れば、ベアトレンドへ転換したと言えるから、大幅なポンド安/円高の余地を拓くでしょう。

ここで注意していただきたいのは、ポンド/円の下落、単にドル/円の下落のみではなく、ポンド/ドルの反落が効いている側面も大きい。ドルインデックスの切り返しが続ければ、ポンド/円の下落が円高よりもポンド安でけん引していく可能性も大きいので、要注意だ。


ドル建て金・スポット 日足(@IG証券)

同じく、ドル高で金は続落している。「ダブル・トップ」になるかどうかはこれから1300割れの有無によって判断できるが、蓋然性が高まるでしょう。仮にトップアウトのフォーメーションが確認できれば、2016年安値から引かれる
メインサポートラインの打診に繋がるでしょう。当然のように、この場合はドル高の継続が観察されるはずで、ドル高なしでは金安が進まないから、理屈として分かりやすいかと思う。

一方、金の値動き、完全にドルのパフォーマンスとリンクしていないことも一目瞭然だ。ここで金に強気になれない根拠として米株の動向との関連性も加えていきたい。

2月5日ダウ指数の一日下落幅が史上最大と記録したにもかかわらず、金はむしろ売られていた。その後の切り返しも高値更新に至らなかったので、所謂「リスク回避先」として金の役割が疑われる。

ゆえに、潜在な構造として金の切り返しが大分完成されたではないかと思う。仮にこの見方が正しければ、「ダブル・トップ」の構造、目先の1月、2月高値ではなく、昨年9月高値と形成する可能性もある。MACDなどオシレーター系指標の弱気傾向に鑑み、じわじわ下値切り下がる可能性に注意しておきたい。もちろん、ドルのじわじわ切り返しとリンクする形で・・・市況はいかに。

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見方維持

先週に続き、ドル/円と豪ドル/円の状況を今一度点検しておきたい。結論から申すと、見方は大した変化がないので、先週のシナリオが維持されるかと思う。


ドル/円 日足(@IG証券)

先週小幅切り返し、先々週の大幅下落に対するスピード調整、といった様子を露呈した。もっとも、先々週の安値打診、昨年9月安値の割り込みをもって2016年12月高値118.66を起点とした下落波の延長を示しただけに、ベアトレンドの修正は容易ではなく、ここからなお下値リスクがくすぶる。

2017年2月末の高値以来、大型レンジ相場を形成してきただけに、昨年9月安値の割り込みはレンジ変動の終焉を示し、ベアトレンドの加速を示したわけで、仮に下落一服があっても当面安値圏での保ち合いが先行されるといった見方は不変。なにしろ、昨年9月安値打診、またその後の切り返しで点灯した「フェイクセットアップ」のサインが否定されたわけだから、ベアトレンドの加速が続けば、2016年11月9日(トランプ氏当選日)安値の101.17へ「全値戻し」があってもおかしくないと思われる。

一方、日足におけるボトム~ボトムと数えるサイクルでは、20週~23週といった反動リズムが観察され、昨年9月安値107.33からすでに23週が通過され、16日の罫線が示した「スパイクロー」の可能性に鑑み、ここから安値更新なしではまず安値圏での保ち合いに留まる。但し、この場合でも、先週の指摘と同様、108関前後が抵抗ゾーンと化し、その後109前半まで抵抗ゾーンが厚く、切り返しがあっても頭重いか。構造的には、円売りポジションの積み上げが過大とされ、先々週の急落があっても大した整理が見られず、またドル急落時にて逆張りのドル買いも多かった分(日経報道によると、ミセス・ワタナベらは逆張りのドル買いポジションを膨らんでいた)、切り返しがあっても紆余曲折の見通し。


豪ドル/円 日足(@IG証券)

先週続落、僅かなから安値を再度更新していた。もっとも、2月に入って昨年11月安値84.30の割り込みをもって昨年9月高値90.40を起点とした下落波の構造を鮮明させ、ベアの基調はすでに決定され、先週の値動きが限定的だったとはいえ、基本的にはトレンド進行の途中と位置づけされる。

この場合、早晩昨年6月安値81.69、また同4月安値81.48の打診が想定され、ベアトレンドの加速を覚悟。一方、連日の急落で幾分オーバーシュートの疑いが浮上、2月14日の日足、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯していたから、先週末の一時安値更新があったものの、再度「スパイクロー」の足型を示し、14日と「ダブル・ボトム」の可能性を示唆していた。これから早期割り込めなければ、再度スピード調整(切り返し)が図られる可能性もあるが、トレンド進行のモメンタムに鑑み、過大な期待は禁物であろう。

先週と同様、切り返しが先行される場合でも、84円台後半の抵抗が意識され、更に、2月13日大陰線で示した弱気「リバーサル」のサインが点灯された85円台後半のレジスタンスゾーンは難関となろう。換言すれば、早期上放れなしではベアトレンドが継続され、目先「売られすぎ」があってもベアトレンド自体の修正は難しい。反面、前記「ダブル・ボトム」の割り込みがあれば、ベアトレンドの加速が確認されるわけで、一気に82円台半ばに打診、また82関門の割り込みにつながるでしょう。要するに、目先「ダブル・ボトム」の可能性はあるものの、過大評価すべきではない、ということが言えるではないかと思う。

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サインもいろいろ

IG証券さんのチャートを使わせていただき、気になるサインについて検証しておきたい。


ポンド/円 週足(@IG証券)

まずポンド/円の週足に観察すればわかるように、2016年安値から引かれるメインサポートラインが先週の安値と合致、一旦サポートされたと言えるものの、これから再度打診する場合、下放れの可能性も大きくなっている。

何しろ、先々週の大陰線は1月第2週の安値を割り込み、先週を含め、連続2週間その下で大引けした。1月第2週の足型、典型的な「スバイクロー」であっただけに、地合いの悪化が鮮明であった。

更に、1月末の高値更新、当週の大陽線は一旦1月半ばの安値に接近して再度反転して高値更新、また陽線引けしていたので、本来強気「リバーサル」のサインを点灯していたはずであった。ゆえに、先々週からの大幅下落、同サインの指示と逆行してきたわけで、同サインの意味合いも変化されたと言える。換言すれば、同サインは強気の意味合いを示していたものの、結果的に市況が弱気変動に動いたから、一転して「ダマシ」のサインと化した疑いが濃厚だ。

「ダマシ」ほど正確な指示はない、という言い方もあるように、2016年安値を起点とした大型上昇波の終焉を警戒しておきたいところだ。メインサポートライン以下の大引けがあれば、蓋然性が高まるでしょう。146円台後半~147円台後半からのサポート・ゾーンの下放れと相まって、下放れの有無が注目されよう。もちろん、メインサポートゾーンとなるだけに、一気に下放れできるとは限らないので、一旦リバウンドの可能性も大きいでしょう。しかし、前記「ダマシ」の疑いを完全に払拭できない限り、強気スタンスになり切れないでしょう。


金・ドル建てスポット(@IG証券)

次はドル建て金をみてみよう。抵抗ゾーン(黄)やサポートゾーン(ピンク)に挟まれ、しばらく保ち合いの継続が想定されるが、2016年11月9日(トランプ氏当選)高値(紫の矢印)に対するブレイク、昨年9月高値(黄の矢印)や今年1月高値(緑の矢印)にて確認されたものの、総じてメイン抵抗ゾーンに制限されている形となり、上値重さが露呈されているかと意味取れる。仮にここから反落が続き、サポートゾーンを割り込む場合、結果的にこの二回の高値更新が「フォールス・ブレイクアウト」になる可能性があるから、要注意だ。

もちろん、ここから抵抗ゾーンをブレイクすれば、大きく上値余地を拓くでしょう。が、金の大幅な上昇、ドルの更なる下落を共わないなかなか難しいから、ドルの状況も確認しないといけない。


ドルインデックス 日足((@IG証券)

最近金の強気変動を保てた前提条件のひとつは間違いなくドル全体の軟調だ。昨年年初からほど一貫して下落してきたから、比例してみると、ドル建て金の上昇は物足りないさえ思われる。

ドル全体に対する見方もいろいろあるが、上のチャートで表示しているように、先週末ドルインデックスの安値更新、一時に留まり、当日むしろ反騰していたから、安値更新自体が「フォールス」、即ち「ダマシ」になる可能性もある。だから、メイン抵抗ゾーンのブレイクが確認されるまで、金に対する強気見通しもほどほどに、といったところではないか。市況はいかに。

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「節目割れ」のドル/円と豪ドル/円

IG証券さんのチャートを使わせていただき、プライスアクションの視点でドル/円と豪ドル/円の状況を分析してみたい。


ドル/円 日足(@IG証券)

先週ドル/円は大幅続落、昨年安値の割り込みをもって2016年12月高値118.66を起点とした下落波の延長を示唆。もっとも、2017年2月以来、大型レンジ相場を形成してきただけに、昨年9月安値の割り込みはレンジ変動の打破、即ち下放れを示しているので、先週105円台半ばの打診があってもサプライズではなかったと言える。プライスアクションの視点でも、昨年9月安値打診、またその後の切り返しで点灯した「フェイクセットアップ」のサインが否定されるところが大きく、また目先の「節目割れ」と認定できるかと思う。

なにしろ、昨年7月の高値トライ、同5月高値に対する一時のブレイクは「フォールス」、即ち「ダマシ」であったから、その後9月の安値トライにつながったわけ。一方、昨年9月の安値更新、結果的に大きな切り返しをもたらしたから、底打ちのサイン(フェイクセットアップ)として重視され、本来ブルトレンドへの展開が期待される存在であった。しかし、その後11月の高値も一時の高値更新に留まり、再度「ダマシ」のサインを点灯したから、大きな下落波を教えきた。先週の安値更新まで、途中における二つのサインも注目される。

ひとつは昨年11月安値の割り込みで下方余地の拡大、もうひとつは1月安値が一旦昨年9月安値の支持を意識したところ、結局2月2日の大陽線が「ダマシ」のサインで終わっていたこと。「ダマシ」の意味合い、1月26日の「スパイクハイ」に対する「上放れ」が失敗したことに加え、前記昨年11月安値の割り込みで逆に抵抗ゾーンとして機能していたことが挙げられる。この視点では、大型レンジの真ん中、もうひとつ抵抗ゾーン(ピンク)が規定されることで下放れの準備ができ、また実際下放れできたわけだから、レンジ自体の「倍返し」が警戒される。

英EU離脱以降、日足におけるボトム~ボトムと数えるサイクルでは、20週~23週といった変動のリズムが観察され、昨年9月8日安値の当週からすでに23週が通過され、先週末日足が示した「スパイクロー」の可能性に鑑み、まず下げ一服の可能性もある。但し、この場合でも元レンジの下限が大きな抵抗ゾーンと化し、容易な上放れを期待しにくいでしょう。強くても安値圏での保ち合い、といった弱気変動が余儀なくされ、しばらく安値鍛錬が続くかとみる。


豪ドル/円 日足(@IG証券)

先週大幅続落、昨年11月安値84.30の割り込みをもって昨年9月高値90.40を起点とした下落波の構造を鮮明にした。「節目割れ」というのも、明らかに先宇年11月安値割れを指し、ベア構造のポイントとして注意しておきたい。この場合、早晩昨年6月安値81.69、また同4月安値81.48の打診や割り込みにつながると思う。日足における大型「三尊トップ」といったフォーメーションも想定され、ここからの下値打診があれば、一段と大幅な下値余地を拓くでしょう。

一方、連日の急落で幾分オーバーシュートの疑いが浮上、2月14日の日足、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯していたから、早期割り込めなければ、まずスピード調整(切り返し)が図られよう。この場合、84円台前半の抵抗も当然意識されるが、2月13日大陰線で示した弱気「リバーサル」のサインが点灯された85円台後半のレジスタンスゾーンが注目される。換言すれば、早期上放れなしではベアトレンドが継続され、目先「売られすぎ」があってもベアトレンド自体の修正は容易ではないとみるべきであろう。

ベアトレンドの修正、85円台後半~86円台前半のメイン抵抗ゾーンの上放れを前提条件とする視点、昨年8月安値や8月29日罫線が示したサインに鑑みるところも大きかった。チャート上示したように。「スバイクロー」や「フェイクセットアップ」のサインが点灯していたところもあって、前記「弱気リバーサル」のサインが、また昨年12月5日高値も明らかに同メインゾーンを意識していたから、戻りの抵抗として強烈な存在となろう。日足における大型「三尊天井」の否定、同メイン抵抗ゾーンを突破しない限り、時間の推移につれ、蓋然性が増していく見通しで、弱気構造の一段完成にご注意。

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