メルマガ読者様限定「ミセスワタナベ、喰われる運命に?」
来週英EU離脱に関する国民投票の結果が金曜(24日)未明に判断される見通しで、東京市場が事実上同結果を最初に反映するマーケットとなる。その結果、恐れらく世界金融マーケット全体に波及していくでしょう。
ウォール街は同結果次第、金融相場の激動を予測、幾分危機を「煽る」疑いがある。GSはポンドが最低10%の変動ありと指摘、また在留する場合、ポンドが5%上昇すると推測している模様。
メリルリンチはより詳細の予測を発表している。離脱する場合、円やスイスフラン以外、ドルが急伸する可能性が高いと指摘、米利上げ観測が一段と後退するものの、リスクヘッジの需要が高まり、資金がドルに流れ込むというロジックだ。同行のロジックが正しければ、クロス円における急落がもっとも警戒されるべきかと思われる。
何しろ、報道によると、ミセスワタナベらがポンドの逆張り(即ちロング)に傾いている模様だ。ポンド/円がすでに急落してきただけに、多くの日本の個人投資家はポンドが十分安くなっていると「勘違い」している可能性が大きい、と指摘する声も多い。現実になれば、かなり大きな「ギャップ」をつけて(ポンド/円の場合、3円~5円もあり得るか)相場がスタートされてもおかしくなかろう。
反面、残留する場合、ドル全体が軟調に動く可能性があるものの、総じて緩やかな傾向にあると同行が予測する。なぜなら、米追加利上げ観測がまた高まりやすいからだ。総合的に見ると、ウォール街は総じてドル高(対円除く)トレンドの継続に賭けているようだ。
1992年ポンド危機の再来と危惧する声も多いが、当時の状況とかなり違うといった認識が主流のようだ。何しろ、当時はまだ「アナログの時代」だったので、情報の伝達にしても、取引の形態にしても今日と大きな差がある。それにしても、相場の本質が変わらないから、一時的にせよ、流動性が深刻に低下する市況を覚悟しなければならない。となると、以下の2つのポイントが想定される。
一つは離脱した場合でも、一時的な混乱があるものの一時間後ほどで通常の取引(スプレッドの正常化)に戻るでしょう。もうひとつはやや悲観的であるが、ミセスワタナベらのポジションが公に晒される以上、英投票の結果と関係なく、ロングポジションが喰われる可能性が高い。換言すれば、結果次第円高の度合いが違ってくるが、結果を問わず一時的な円高の進行を覚悟しておいたほうが無難だ。即ち、仮にミセスワタナベらの賭けが正しいとしても、相場は彼らを振り落としてから同結果を反映する可能性がある。相場は理外の理、果たして今回の市況はいかに。
最後に、日本当局が為替介入を暗示しているが、このタイミングでやれるわけがないから、無視しましょう、はい。
陳満咲杜
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