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米バロンズ誌が発したシグナル

今回は前回配信したメルマガの記事をご紹介したと思います。

イエレンさんの「数か月後利上げが適切かもしれない」といった発言後、6月、あるいは7月にて追加利上げの観測が高まってきた。
国債先物市場の動向では、7月利上げの確率が62%まで上がった。一部機関投資家は6月利上げに注意せよといった主張を繰り返し、実際市場も同可能性を織り込みつつある。
2013年10月、FOMC議事録が「数か月後QE規模の削減が適切かもしれない」といい、その2か月後の12月にてQE縮小が始まったことに鑑み、7月利上げの公算が高まってきたのもおかしくなかろう。その分、6月利上げは性急ということが暗示され、足元ドル高の値動き、幾分早すぎたといった側面も否定できない。
一方、7月利上げを確実視するのが危険だといった見方も多い。結局来週金曜の米雇用統計を見ないとわからないし、イエレンさんの6月6日の発言も重要だと思われる。言い換えれば、イエレンさんにしても、FRBにしても、最新の指標なしではなお判断を下せない公算が高い、ということである。ちなみに、先月同指標が芳しくなかったことをお忘れなく・・・・
もっとも、市場は流動的で、昨年のような「多事の夏」を迎え、何等かのサプライズの発生を警戒しなければならない。都市伝説の範囲に入るが、米パロンス誌の最新表紙に嫌な予感を思えたベテランの投資家も多いのでは。同誌は「株式市場に暴落は訪れない、その時はまだ来ていない」 と主張、S&Pが2360ドル、つまり、これから12.4%も上昇しなければならないターゲットを提示している。
米利上げ周期入りに伴う米株の大幅上昇、よほど強い経済成長がない限り実現される見込みが薄いうえ、歴史的な高値に位置する米株の上昇シナリオを描くこと自体、バブル期に漂わせたきた「根拠なし自信」の表れと言える。要するに、リーマンショック以降、ほぼ一直線に上昇してきた米株が本来大幅調整してもおかしくなかったが、昨年のチャイナショックでもうまく耐えてきたから、もう永遠にこないのではといった慢心感のほかあるまい。利上げをプラス要素として解釈し始めれば、ほぼ間違いないといった経験則もある。
最後に、バロンズ誌の表紙は逆指標として定評があることを記しておきたい。今回も効くなら、米6月どころか、7月でも利上げできない可能性がある・・・・市況はいかに。

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