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要人相場介入の示唆 ドル円の行方

本日麻生財務相がはっきりと相場介入を示唆した。では、相場介入に関して、どう考えればよいでしょうか、また円高トレンドが介入によって阻止できるでしょうか。
こういった疑問を答えるべく、5月1日配信したメルマガの文章を公開したいと思う。
但し、あくまで中期スパンにおける視点であることにご注意ください。

二回目の「黒田ショック」が先週にて発生、マーケットを震撼させた。

しかし、材料がトレンドの後についてくるという相場の真実を悟れば、こういう結果や市況に驚かなくても住むでしょう。何しろ、円高のトレンドが続く以上、材料がどうであれば、円高の方向に作用するからだ。

1月末日銀がマイナス金利を導入した後円高方向に大幅進行した。そして今回は政策据え置きで再び大幅な円高をもたらした。要するに何をやっても円高だから、もう日銀政策云々が決定要素でないことが一目瞭然であろう。仮に今回マイナス金利が拡大されたとしても、一時の円安に留まり、また円高にの向に戻ってくることも容易に推測されよう。

では、なぜファンダメンタルズがトレンドを左右できなくなったか。詰まるところ、それはほかならぬ、「円高時代」に位置しているからだ。過去のドル安・円高トレンドを検証していくと、理屈がお分かりいただけるかと思う。

過去では、もっとも短い円高トレンドは1年3ヶ月(1998年8月~1999年11月)だった。

そして、もっとも長い円高トレンドは4年4ヶ月ほど(2007年6月~2011年10月)続いた。値幅から見ると、最短は25%(2002年1月~2005年1月)ほどの円高、最大は50%(1990年4月~1995年4月)も円高が進んだ。

となると、昨年6月高値125.85から足許まで(4月29終値106.31)、まだ15%程度の円高に過ぎず、また10ヶ月しか経過していないから、円高トレンド自体がここで終焉するよりも、これからも続く公算が大きいと言える。故に、材料はどうであれ、円高が当面続くと思われる。

因みに、昨日麻生財務相が市場介入の可能性を示唆していたが。仮にそのような行動があった場合、絶好な円買い場を提供してくれるでしょう。米国に為替操作監視国に指名された以上、共同介入があり得ないので、日本単独の介入、國際投機筋にチャンスを与えるだけなので、やめていただきたい。この意味では、この原稿、誰かが漫画風にして麻生さんに読ませていただきたい、とも祈っているところ。市況は如何に。


陳 満咲杜

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