豪ドル/円 ダブルトップに対する「フォールス・ブレイクアウト」
アナリシス:先週大幅続伸、今月以来の高値を更新した。切返しの勢いに鑑み、今週3月高値86.70をトライしてもおかしくないが、同高値更新の有無が焦点。もっとも、2月安値を起点としたリバウンド、200日線(≒86.60)に頭押さえられたことに加え、1月高値の86.37、3月高値の86.40が形成した「ダブルトップ」に対する「フォールス・ブレイクアウト」、即ち一時の高値更新が「ダマシ」であったことが確認され、同サインをもって、2月安値を起点とした戻り、すでに頭打ちを示唆しただけに、今週同高値更新があれば、同シナリオが修正されるか、後ずれの可能性を浮上させる。
故に、3月高値の更新、容易いものではなく、何等かの材料なしでは難しいと思われる。先週末の急伸、ドル/円につられた値動きであり、また円売りの材料が日銀政策に巡る憶測に依存しているだけに、不安定な市況になりやすい。度々強調してきたように、2月安値を起点とした反騰、値幅が大きかったものの、メイントレンドにおけるスピード調整といった位置付けは不変、先週の続伸があっても、やや遅れた形で同位置付けを証左するだろうと見る。この場合、2月11日罫線が示す「ピンバー」が寧ろ「アンカー」の役割を果たし、これから豪ドル/円の戻り(下落波への復帰)に作用しよう。
ファンダメンタルズでは、豪ドル/ドルの反騰が原油やそのほか商品相場の反騰に支えられた側面が大きく、原油市場の動向が引き続き材料視されるが、原油の「買われすぎ」が懸念材料、また豪ドル高につれ、豪州の利下げ観測が高まりやすいことも豪ドルのリバウンドに水を差すか。いずれにせよ、今週前半におけるリバウンドの継続が有力視されるが、過大評価すべきではなかろう。3月高値更新の有無、また一時な更新があっても騰勢が継続されない限り、豪ドルの反騰が終盤に差し掛かるかと思われる。先週安値を割り込むまで高値圏での保ち合いが先行され、レンジ取引も一手か。
陳 満咲杜
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