プライスアクションの有効性と、もっともシンプルなアプローチ

ブルベアＦＸ

プライスアクションの原点は値動きそのものであり、また値動きのみだから、もっともシンプルなアプローチだと思う。故に、もっとも有効なテクニカルアナリシスのツールとして優れていると思われる。以下は昨年12月22日に書いたレポートであるが、実例としてＰＡの有効性を証左したと見る。

ドル/円　　　日足

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アナリシス：先週レポートの指摘通り、先週週明けから120前半におけるサポートを確認、底割れを一旦回避できたことから、再度中段保ち合いに転じた。一方、先週末日銀政策の発表で市場波乱、一時123.55まで高値を付いたものの、一転して大きく反落、大陰線で大引けした。日銀は予想外の政策微調整を行っていたが、市場の反応に鑑み、日銀が市場との対話に失敗したといった懸念が強まっている。こういったセンチメントがこれからも市場に浸透してくると思われるから、これからドル/円の頭打ちを引き続き警戒しておきたい。もっとも、記述したように、11月高値を更新できない限り、ドル/円は早晩下落波に復帰、今年6月高値を起点とした反落波が継続される公算が大きい。8月24日安値を起点とした切返し、大型ジグザグ変動構造を示し、またＮ字型計算において11月高値をもって完成された蓋然性が高かっただけに、先週高値更新に失敗したこと自体、寧ろ当然な成り行き、また大きなサインを灯したと思う。先週末の大陰線、12月3日高値を一旦ブレイク、その後大きく下落、15日終値とほぼ並んで大引けしたから、典型的の「フェイクセットアップ」のサインを点灯した。その上、同サインの確認、11月18日高値が示した「フォールス・ブレイクアウト」のサインに続いていたから、１１月高値123.75が示すメイン抵抗の意味をより確実にしたと見る。従って、来週事実上年末年始相場に入るが、商い薄の故に、サインの指示通り下放れのリスクを覚悟したい。この場合、14日安値120.34割れをもって８月安値と10月安値を連結したメインサポートラインを試し、10月28日安値119.84の打診が想定される。122前半は再び抵抗ゾーンと化し、早期123関門の回復なしでは反落波の継続が有力視される。もっとも、120心理関門割れがあれば、市場センチメントが一層円高傾向に傾くから、一時にせよ、118円台に打診も覚悟しておきたい。

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予想レンジ：118.80～122.20、　　　　　　　メインストラテジー：戻り売り

豪ドル/円　　日足

アナリシス：日銀政策に巡る思惑もあって、豪ドル/円は続落し、下落波の位置付けを一段と証左した。もっとも、8月安値を起点とした切返し自体、大型上昇ダイアゴナル・トライアングルというフォーメーションを形成、12月4日スパイクハイのサインを点灯し、先々週にて同フォーメーションの下放れを果たしたから、先週の続落は寧ろ当然の成り行き。既述した通り、ダイアゴナル・トライアングルの打破、通常その起点に戻る習性があるから、中期スパンでは8月安値81.89の再打診につながる公算が大きい。また、先週（16日）高値の88.56は８月24日高値（元ギャップの下限）88.54と合致、更に「フォールス・ブレイクアウト」のサインを点灯した10月21日高値の88.61にも近く、下落波におけるスピード調整の限界を探った公算が大きく、同水準が当面のメイン抵抗ゾーンに化したでしょう。4日高値90.72を起点とした下落、推進子波と見做してきただけに、16日高値88.56からもっとも強い下落波動になりやすく、年末年始の商い薄もあって、これから値幅拡大のリスクに警戒しておきたい。10月安値85.33は第一ターゲット、下放れをもって新たな下値余地を拓き、ベアトレンドの加速を示唆。この場合、ドル/円の底割れと相俟って値動きを強めていく公算が高い上、豪州利下げ思惑やチャイナリスクの懸念も重石。チャイナリスクに関して、当面中国株よりも人民元の動向に注意しておきたい。オフシェア市場における人民安の傾向が例年に見られないほど鮮明になってきており、リスクヘッジの豪ドル売りが警戒される。この意味においても、円がリスク回避先の役割を果たすから、豪ドル/円の売り、米利上げ周期入りの段階において、もっとも想定されやすく、また仕掛けされやすいかと思われる。従って、先週高値を早期ブレイクできない限り、豪ドル/円のベアトレンドが維持され、下落モメンタムの強まりも想定されるから、今週も売り好機に恵まれるかと見る。

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予想レンジ：85.00～88.00　　　　　　メインストラテジー：戻り売り

陳満咲杜

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