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シンプルイズベスト

先週(3月7日、抵抗ゾーン・支持ゾーン)ポンド/円とドル建て金の話をしたので、本日はその続きとなる。


ポンド/円 日足(@IG証券)

既述のように、メインゾーンは存在し、同ゾーンを下回った以上、ブル基調への回復は容易ではない。従って、一旦切り返しがあっても過大評価しないほうが得策、また戻り自体を戻り売りの好機になる公算も大きかったといえる。

更に、2016年安値から引かれるメインサポートラインも下放れされたので、前記メインゾーンと共に、今回は一転して抵抗ラインとなる可能性が大きい。実際、一昨日高値までの戻りは丁度同ラインと合致、また昨日や目先の反落をもって同蓋然性が証左されているから、戻りの限界をすでに探った、という見方に傾くのも自然であろう。非常にシンプルな理屈だが、相場は時に驚くほどシンプルなので、人為的に複雑する必要はないというか、複雑なアプローチを取っても正解になるとは全然限らないから、シンプルイズベストの原理を守ったほうが得策だと思う。

ゆえに、ここからポンドが再度メインゾーンを完全に下回れば、下落を加速していくことを覚悟しておくべきであろう。安値更新があれば、2016年安値を起点とした全上昇幅の38.2%押しの143円台半ばがターゲットとして浮上してこうよう。


ドル建て金・スポット(@IG証券)

金は大分保ち合いを続け、大したサインを点灯していないが、メイン抵抗に対するトライが強くないというか、むしろモメンタムが低下しているように見える。月足だが、MACDがゼロラインの上にキープしているものの、上放れする警戒をみせず、弱いモメンタムに留まっていることを示唆。

前回の投稿でも指摘したように、上のチャートに表示されるa~dまでの高値、ほぼ同じレベルなので、実は2015年安値を「ヘッド」とする大型「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」のネックラインに当たるから、ここから上放れの有無が重要である。上放れできれば前記フォーメーションの通り大幅な上値余地を拓けるが、上放れできないなら、ここから逆に売られやすいことを覚悟しよう。

なにしろ、時間の推移につれ、メイン抵抗ゾーンに打診する回数が多ければ多いほど実は上放れのモメンタムを失くすリスクが大きいからだ。換言すれば、何回試してもブレイクできないなら、失望するロング筋は撤退、逆に投機的なショート筋が増えていくことが想定され、なかなかブレイクなしでは相場内部のブランスが崩れやすいからだ。もちろん、上放れできれば大幅な上値余地を拓けるといった推測もロング/ショートのバランスに基づくもの。金のショート筋、月足における高値ゾーンの上にストップオーダーを設定していること、また上放れでれば、新たなロングの投機筋が参入してくることも考えられ、極めてシンプルな理屈だと思う。

要するに、金は上放れのはずなのになかなか上放れせず、ロング筋が苛立ちしやすい市況にある。その苛立ちはやがって相場を転換させる可能性を秘めるから、油断できない。市況はいかに。

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陳満咲杜



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