一歩遅れの戦略
相場における判断と行動の大前提は確実性にある。一方、相場自体の本質は不確実性にあるから、一見して矛盾する話だ。しかし、相場のサインを確認してから判断また行動を取る、ということを理解できれば、こういう矛盾がなくなり、むしろ当然なスタンスとして重視されるでしょう。先週「ブルベアFX通信」の実例をもって説明しましょう。
ユーロ/円 週足
ユーロ/円の中長期スパンに関して見方は変わらないが(詳細はザイFX!コラムをご参照)短期スパンでは下げ一服、また一旦リバウンドしてくる可能性があった。週足では、GMMAチャートにおける長期線グループのサポートが注目されていた。
ユーロ/円 日足
週足におけるポイント、当然のように日足にて先に確認されないといけない。3月5日の大陽線、強気リバーサル&アウトサイドのサインを点灯していたから、ユーロ/円をはじめ、主要クロス円の切り返しの余地を示唆していた。肝心なのは、こういったサインの点灯なしでは勝手に判断しないこと、何しろ下落トレンドが鮮明だったから、下げ一服の有無も鮮明のサインなしでは判断できない上、サインの指示通りロングポジションを取っても、逆張りであることをしっかり認識しないといけない。詰まる所、トレンドフォローではなく、トレンドの進行の一服また途中におけるスピード調整を狙うポジションは投機的な色合いがより濃厚なので、意識的に一歩遅れの戦略を取らないとやけどする確率が高い。
実際出したストラテジーは下記のチャートにて表示、指しているところレートではなく配信時刻であることにご注意
ユーロ/円 時間足
ポンド/円 時間足
豪ドル/円 時間足
その通り、ユーロ/円はほぼ利益なし、ポンド/円は微々たる利益しか取れず、豪ドル/円のみ想定したリターンをほぼ取れたが、「性急」に見えたストップの上方修正に全く悔いはなし。何故なら、逆張りしていることをしっかり認識し、リスクコントロールが第一であることを肝においていたからだ。更に、出直しのチャンスもあったから、一個一個のトレードに拘る必要はない・・・(続く)
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