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反対の視点

前回の記事ではWTI原油先物と英ETSE100株価指数を取り上げたが、今回は同じく商品と株価指数をみてみたい。が、米株指数のほうがより重要なので、ウォール街株価指数(ダウ指数)を取り上げたい。IG証券さんなら、こういった商品先物や株価指数の多数を有し、更に欧米個別株をCFDを通じてワンストアでアクセスできるから、個人投資家でもマクロ型ヘッジファンドに遜色しないトレード環境を手に入れるので、ぜひ活用してもらいたいと思う。

総じて原油高に懐疑的、また米株の下落が途中の調整でまだブルトレンドを維持しているといった見方をもつ筆者だが、シナリオを検証するために敢えて反対の視点をもってチャートを点検しておきたい。なにしろ、片方の視点のみでは偏りやすいから、自分のシナリオと矛盾するサインを却って重視したほうがより適切な判断、また正しい認識に繋がりやすいからだ。


WTI原油先物 週足(@IG証券)

原油のブル基調に対する懐疑的な見方、主にドルの切り返し、といったシナリオに依存するが、ドル全体はまだまだ弱いままで、「底割れ」を辛うじて回避という程度に留まっている。ゆえに、週足におけるシグナル、目先むしろ強気基調が維持されることを示し、トレードにおいて原油のショート(メインストラテジー)が時期尚早であろう。

高値から反落してきたとはいえ、明らかにポリンジャーバンドの基準線(21週線)がサポートと化し、また上向く傾向を維持しているから、ドル全体が切り返してきたとはいえ、目先頭打ちされたかどうかはなお定かではなかろう。
その上、チャート上に記したように、週足では大型「複合型三尊底」のフォーメーションが示され、また「ネックライン」の上放れ」が確定されていたから、同フォーメーションが示す上値ターゲットが達成されていないうち、頭打ちに関する想定も慎重にすべきであろう。


ウォール街株価指数 日足(@IG証券)

ウォール街株価指数に関して、諸説があり、また見方が分かれている状況自体が正常なので、単純にテクニカルの視点のポイントを収めておきたい。二つ代表的なオシレーター系指標で状況を把握したいが、複雑な測り方をやめ、シンプルな視点でフォローしていきたい。

まずMACDでみると、米株の長期ブルトレンドにおいて、同指標はほとんどゼロラインの上に推移してきたことが分かる。2月初の急落でゼロラインを下回ったのが当然だが、問題は2月28日までの切り返しがあっても同ラインの回復につながらず、むしろ頭押さえられたところを重視すれば、強気になれないでしょう。換言すれば、MACDの二本線自体のシグナル(クロス)よりも二本線が揃ってゼロラインを上回れるかどうかは肝心であるから、目先まだシグナルの点灯を確認できず、あまり楽観すぎないほうがよいであろう。ベアトレンドへすでに転換された場合、MACDが長期間に渡ってゼロラインの下にて推移するはずなので、判断基準の一つとして要注意。

RSIでは、2月初頭の急落で30の水準を下回り、強気「リバーサル」のサインを点灯してその後の急反発をもたらしたが、同サインがもたらした上昇が再度高値更新しないと、単に「売られすぎ」に関するリバウンドに過ぎないので、あまり過大解釈できない。高値圏での波乱が続ければ続くほどベアトレンドへ転換していく可能性が大きいから、ここ辺も注意しておきたい。市況はいかに。

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陳満咲杜



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