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ドルの切り返しがもたらした「側面」

ドル全体は切り返している。ドル高の「側面」としてポンド/円やゴールドの値動きでも検証できるかと思う。


ポンド/円 日足(@IG証券)

前回でも指摘したように、ポンド/円はトレンドを転換させるサインを点灯していたから、反落の余地を拓いていた。足元の市況はその通りで、2月14日安値の更新もあって、メインサポートゾーンをトライしている。

メインサポートゾーンのトライ自体、2016年安値から引かれるメインサポートラインの割り込みを意味するから、強気変動の終焉を示唆している。但し、強気変動の終焉が忽ち弱気変動に転換するとは限らないから、メインサポートゾーンを下回れるかどうかは肝心であろう。

メインサポートゾーンの規定はシンプルである。2016年12月高値、2017年5月や7月高値が形成していた元抵抗ゾーン、2017年10月、11月安値に再確認(元抵抗ゾーンがサポートゾーンに化した)されたわけだから、今度その役割を果たせるかどうかは肝心であろう。完全に下回れば、ベアトレンドへ転換したと言えるから、大幅なポンド安/円高の余地を拓くでしょう。

ここで注意していただきたいのは、ポンド/円の下落、単にドル/円の下落のみではなく、ポンド/ドルの反落が効いている側面も大きい。ドルインデックスの切り返しが続ければ、ポンド/円の下落が円高よりもポンド安でけん引していく可能性も大きいので、要注意だ。


ドル建て金・スポット 日足(@IG証券)

同じく、ドル高で金は続落している。「ダブル・トップ」になるかどうかはこれから1300割れの有無によって判断できるが、蓋然性が高まるでしょう。仮にトップアウトのフォーメーションが確認できれば、2016年安値から引かれる
メインサポートラインの打診に繋がるでしょう。当然のように、この場合はドル高の継続が観察されるはずで、ドル高なしでは金安が進まないから、理屈として分かりやすいかと思う。

一方、金の値動き、完全にドルのパフォーマンスとリンクしていないことも一目瞭然だ。ここで金に強気になれない根拠として米株の動向との関連性も加えていきたい。

2月5日ダウ指数の一日下落幅が史上最大と記録したにもかかわらず、金はむしろ売られていた。その後の切り返しも高値更新に至らなかったので、所謂「リスク回避先」として金の役割が疑われる。

ゆえに、潜在な構造として金の切り返しが大分完成されたではないかと思う。仮にこの見方が正しければ、「ダブル・トップ」の構造、目先の1月、2月高値ではなく、昨年9月高値と形成する可能性もある。MACDなどオシレーター系指標の弱気傾向に鑑み、じわじわ下値切り下がる可能性に注意しておきたい。もちろん、ドルのじわじわ切り返しとリンクする形で・・・市況はいかに。

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陳満咲杜



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