「節目割れ」のドル/円と豪ドル/円
IG証券さんのチャートを使わせていただき、プライスアクションの視点でドル/円と豪ドル/円の状況を分析してみたい。
ドル/円 日足(@IG証券)
先週ドル/円は大幅続落、昨年安値の割り込みをもって2016年12月高値118.66を起点とした下落波の延長を示唆。もっとも、2017年2月以来、大型レンジ相場を形成してきただけに、昨年9月安値の割り込みはレンジ変動の打破、即ち下放れを示しているので、先週105円台半ばの打診があってもサプライズではなかったと言える。プライスアクションの視点でも、昨年9月安値打診、またその後の切り返しで点灯した「フェイクセットアップ」のサインが否定されるところが大きく、また目先の「節目割れ」と認定できるかと思う。
なにしろ、昨年7月の高値トライ、同5月高値に対する一時のブレイクは「フォールス」、即ち「ダマシ」であったから、その後9月の安値トライにつながったわけ。一方、昨年9月の安値更新、結果的に大きな切り返しをもたらしたから、底打ちのサイン(フェイクセットアップ)として重視され、本来ブルトレンドへの展開が期待される存在であった。しかし、その後11月の高値も一時の高値更新に留まり、再度「ダマシ」のサインを点灯したから、大きな下落波を教えきた。先週の安値更新まで、途中における二つのサインも注目される。
ひとつは昨年11月安値の割り込みで下方余地の拡大、もうひとつは1月安値が一旦昨年9月安値の支持を意識したところ、結局2月2日の大陽線が「ダマシ」のサインで終わっていたこと。「ダマシ」の意味合い、1月26日の「スパイクハイ」に対する「上放れ」が失敗したことに加え、前記昨年11月安値の割り込みで逆に抵抗ゾーンとして機能していたことが挙げられる。この視点では、大型レンジの真ん中、もうひとつ抵抗ゾーン(ピンク)が規定されることで下放れの準備ができ、また実際下放れできたわけだから、レンジ自体の「倍返し」が警戒される。
英EU離脱以降、日足におけるボトム~ボトムと数えるサイクルでは、20週~23週といった変動のリズムが観察され、昨年9月8日安値の当週からすでに23週が通過され、先週末日足が示した「スパイクロー」の可能性に鑑み、まず下げ一服の可能性もある。但し、この場合でも元レンジの下限が大きな抵抗ゾーンと化し、容易な上放れを期待しにくいでしょう。強くても安値圏での保ち合い、といった弱気変動が余儀なくされ、しばらく安値鍛錬が続くかとみる。
豪ドル/円 日足(@IG証券)
先週大幅続落、昨年11月安値84.30の割り込みをもって昨年9月高値90.40を起点とした下落波の構造を鮮明にした。「節目割れ」というのも、明らかに先宇年11月安値割れを指し、ベア構造のポイントとして注意しておきたい。この場合、早晩昨年6月安値81.69、また同4月安値81.48の打診や割り込みにつながると思う。日足における大型「三尊トップ」といったフォーメーションも想定され、ここからの下値打診があれば、一段と大幅な下値余地を拓くでしょう。
一方、連日の急落で幾分オーバーシュートの疑いが浮上、2月14日の日足、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯していたから、早期割り込めなければ、まずスピード調整(切り返し)が図られよう。この場合、84円台前半の抵抗も当然意識されるが、2月13日大陰線で示した弱気「リバーサル」のサインが点灯された85円台後半のレジスタンスゾーンが注目される。換言すれば、早期上放れなしではベアトレンドが継続され、目先「売られすぎ」があってもベアトレンド自体の修正は容易ではないとみるべきであろう。
ベアトレンドの修正、85円台後半~86円台前半のメイン抵抗ゾーンの上放れを前提条件とする視点、昨年8月安値や8月29日罫線が示したサインに鑑みるところも大きかった。チャート上示したように。「スバイクロー」や「フェイクセットアップ」のサインが点灯していたところもあって、前記「弱気リバーサル」のサインが、また昨年12月5日高値も明らかに同メインゾーンを意識していたから、戻りの抵抗として強烈な存在となろう。日足における大型「三尊天井」の否定、同メイン抵抗ゾーンを突破しない限り、時間の推移につれ、蓋然性が増していく見通しで、弱気構造の一段完成にご注意。
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