米ドル円・豪ドル円 プライスアクション
今回は、ブルベアFX通信から10月16日に配信した米ドル円と豪ドル円のレポートを公開します。
米ドル/円 日足
アナリシス:先週反落、週足では「四連陽」の後に続く形で陰線を形成、4月から繰り返してきたパターン(切り返しが4週連続した後反落に転じる)の可能性が示唆。この場合、6日罫線が示した「フェイクセットアップ」のサインが先週の反落をもたらし、これから一段と下落していく、といったシナリオが想定される。一方、110円台後半は厚いサポート、下放れなしでは前記パターンの消滅につながる。もっとも、目先6日のサインを過大評価すべきではなく、先週の反落をもってすでに効き目を尽くした可能性も。既述のように、北朝鮮の地政学リスクがもたらした円買い、9月7日、8日にて一時4月安値108.10を割り込んでいたものの、その後一転してV字型回復を果たし、9月15日111関門のブレイクをもって同安値更新が「ダマシ」であったことを決定したわけだから、9月の安値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」または「フェイクセットアップ」のサインとして重要視、これからも効き目を果たすでしょう。5月、7月高値の114円台の打診やブレイクなしでは、同サインがもたらした効果が安易に終わらず、途中の反落があっても総じてスピード調整に留まる、といった見方も記述の通り。ゆえに、6日のサインがもたらした反落、途中のスピード調整という位置づけでは限界あり、本格的な下落トレンドに発展しない公算。この意味では、従来の変動パターンに戻るのではなく、従来のパターンを打破していく、という確率は高い。もっとも、5月、7月高値から大型レンジ変動が構築され、同レンジの打破を暗示する形の上放れがあれば、年初来高値の118円台へ「全値戻し」も視野に入るから、6日からのスピード調整、これからの上昇波をより健全化させる側面を否めない。米FRBの資産圧縮計画は今月から正式にスタート、トータルでは三回の利上げ(0.25%幅毎回)の効果に相当と試算され、また年内利上げありといった観測の高まりでドル高の蓋然性が高い。この上、世界主要中央銀行のうち、日銀のみ量的緩和政策を継続、政策の相違が一層鮮明化されている以上、円売りは安心感、または安定感がある。北朝鮮の地政学リスクがなおくすぶるが、9月以来、北の挑発があればむしろドル買いの好機、といった反応パターンを示してきたので、今度の「サプライズ」があれば、スピード調整を終焉させる好機と見做す。
豪ドル/円 日足
アナリシス:先週切り返し、陽線引けをもって9月高値からのスピード調整の終焉を示唆。もっとも、9月の高値更新、7月高値のブレイクをもって上昇トレンドを証左、ブルトレンドが強まっていくのがむしろこれからというシナリオが維持されるから、既述のように、7月高値に対する更新、豪ドルの上昇波がなお途中と示し、スピード調整(押し)があっても限定される公算で、87円台後半~88円台前半は強いサポートゾーン、「深押し」なしでは続伸の可能性が大きく、先週の安値打診が同サポートゾーンの下限に到着、またその後の反騰はすでに同スピード調整を果たした公算。もっとも、9月1日高値に対するブレイク、9月12日にて確認され、また9月15日の強気「アウトサイド」のサインをもって変動レンジの上方修正が示唆されていたから、先週の87円台トライ自体が途中のスピード調整として所謂「適切な押し」を果たした公算が大きく、必然的に上昇波へ復帰、先週の陽線引けは上昇波のスタートに当たる公算。9月25日の罫線は弱気「リバーサル」のサインを点灯していたから、同日高値89.70のブレイクがあれば、前記見方は一段と強化されよう。より長いスパンでは、90.75のブレイクが確認されると、92関門や92円台後半のターゲットに照準、今週続伸の有無も重要になってこよう。豪ドルは商品相場の変動や中国経済に関する思惑に左右されやすいが、利上げ観測がなおくすぶる以上、ゼロ金利また量的緩和政策が継続される日本の円に対して「割安」感が強く、その「割安感」に対する修正、まだまだこれから。従って、先週安値までの反落やその後の反騰、むしろ出遅れたロング筋にとって参入の好機を提供したと言える。この意味では、先週の陽線引けがあったからこそ、押し目の好機が証左されたわけだから、10月5日高値88.75のブレイクを果たす前では、押し目のチャンスがなお残されるでしょう。換言すれば、同高値のブレイクがあれば、上昇波の一段加速が想定され、90関門の再打診を有力視。
陳 満咲杜
ブルベアFX通信は投資助言会社グローバルリンクアドバイザーズ株式会社のHPにて
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